自治会でアンケートを取ろうと思っても、「どんな質問を入れたらいいの？」「案内文はどう書けばいい？」と悩む方は多いですよね。
この記事では、自治会アンケートをスムーズに作成するための目的の整理から、すぐに使える案内文例、テーマ別の質問テンプレートまでをまとめました。
すべての文例は、配布プリントや回覧板にそのまま使える内容になっています。
「短時間でわかりやすく、協力してもらいやすいアンケート」を作りたい方にぴったりです。
記事の最後では、回収率を上げるコツや匿名・記名の使い分け方も紹介しています。
初めてアンケートを担当する方でも迷わず進められる内容になっていますので、一緒に確認していきましょう。
自治会アンケートは何を目的に作る？
自治会アンケートを作る前に、まず「なぜ実施するのか」という目的を明確にしておくことが大切です。
目的を決めておくと、質問の内容や形式がぶれず、後から集計や分析もしやすくなります。
この章では、よくある自治会アンケートの目的と、それに合わせた設問づくりの考え方を整理します。
自治会アンケートの主な目的とは？
自治会でアンケートを行う目的は、大きく分けて次の3つに整理できます。
| 目的のタイプ | 具体的な内容 | 活用例 |
|---|---|---|
| 行事や活動の評価 | 夏祭りや清掃活動などの満足度を把握する | 来年のイベント内容を改善する |
| 地域課題の把握 | ごみ出しルールや防災訓練への意見を集める | 改善点をまとめて市区町村に要望する |
| 会員の意識調査 | 参加意欲や交流の希望を知る | 活動方針や新企画の参考にする |
このように、アンケートには「現状を知る」「課題を見つける」「次の行動を決める」という3段階の役割があります。
目的をはっきりさせることで、質問項目が自然と整理され、回答率も上がりやすくなります。
目的別に質問の作り方を変える
アンケートの目的によって、質問の作り方にも少しずつコツがあります。
たとえば「活動の評価」を目的にする場合は、選択肢を明確にして集計しやすくするのがおすすめです。
一方で「意見を集めたい」ときは、自由記述欄を広めに取ると、多様な声を反映できます。
| 目的 | 質問形式 | 質問例 |
|---|---|---|
| 活動の評価 | 選択式 | 夏祭りの内容はいかがでしたか？（満足・どちらでもない・物足りない） |
| 意見・提案の収集 | 自由記述式 | 来年取り入れてほしいイベントや工夫があれば教えてください。 |
| 地域課題の把握 | 混合形式 | ごみ集積所について気になる点をお選びください（複数回答可）＋自由記述 |
このように、アンケートの設計は「何を知りたいのか」から逆算することがポイントです。
質問を思いつきで並べてしまうと、目的と回答内容がずれてしまい、活用しづらい結果になります。
まずは「目的→質問→回答形式」という順番で考えるようにしましょう。
アンケートは“作ること”が目的ではなく、“次の行動に活かすための道具”です。
次の章では、実際に使える案内文の例を紹介します。
そのまま使える！自治会アンケートの案内文例
アンケートを配布するときの「案内文」は、回答率を左右する大切なポイントです。
内容が分かりやすく、目的が伝わる案内文にすることで、住民の協力を得やすくなります。
ここでは、回覧板・配布プリント・回収期限のお知らせなど、すぐに使える例文を紹介します。
回覧板用の文例
回覧板でアンケートを配布する場合は、短く、要点をまとめた文章が効果的です。
多くの人がパッと読んで理解できるように、「目的」「お願い」「締め切り」の3点を押さえましょう。
| 使用シーン | 文例 |
|---|---|
| 回覧板 | 自治会では、今後の活動をよりよいものにするため、アンケートを実施します。
ご家庭でご確認のうえ、用紙にご記入ください。 次の班へ回す前に、回収箱への提出をお願いします。 |
短文で目的と依頼を明確に伝えることが、回覧板文面のコツです。
配布プリント用の文例
配布プリントは、少し詳しい説明を入れることができます。
アンケートの目的や回答方法を丁寧に書くことで、協力のしやすさが高まります。
| 使用シーン | 文例 |
|---|---|
| 配布プリント | いつも自治会活動にご協力いただき、ありがとうございます。
今後の活動内容や行事運営の参考とするため、アンケートを実施いたします。 ご回答は、同封の用紙にご記入のうえ、〇月〇日までに回収箱（公民館入口）へご提出ください。 皆さまのご意見を、今後の運営に役立ててまいります。 |
プリント配布では、「なぜ必要か」「どこに出すか」「いつまでか」を丁寧に書くことがポイントです。
回収期限を知らせる文例
期限を設けても、回収が遅れることはよくあります。
再通知の文面は、催促にならないように柔らかく伝えるのが大切です。
| 使用シーン | 文例 |
|---|---|
| 回収期限の再案内 | 自治会アンケートのご協力、ありがとうございます。
まだご提出がお済みでない方は、〇月〇日までに回収箱へご投函ください。 皆さまからいただいたご意見を、今後の活動に活かしてまいります。 |
「催促」と感じさせない文のトーンを意識すると、より協力が得やすくなります。
相手の立場に配慮した言葉選びが、信頼される自治会運営の第一歩です。
次の章では、実際の質問テンプレートを紹介します。
すぐ使える質問テンプレ（選択式・自由記述式）
自治会アンケートでは、「聞きたい内容」を整理しながら、回答しやすい質問形式にすることが大切です。
ここでは、すぐに使える質問テンプレートを、テーマ別に紹介します。
すべての質問は、選択式・自由記述式の両方を組み合わせて使うことができます。
行事の満足度
地域の行事に関する質問は、活動の改善につながる情報を集めるのに役立ちます。
特に、満足度と具体的な意見の両方を聞くと、次回の計画が立てやすくなります。
| 質問形式 | 質問例 |
|---|---|
| 選択式 | 今年の夏祭りについて、どの程度満足されましたか？（とても満足／やや満足／どちらともいえない／あまり満足していない） |
| 自由記述 | よかった点や、来年に向けて改善してほしい点があればお書きください。 |
満足度調査は、今後の行事をより良くするためのヒント集めと考えると設問が作りやすくなります。
防災関連
防災訓練や備蓄品の管理など、地域全体の取り組みに関する意見を集めるテーマです。
関心度や参加意欲を知ることで、次の活動計画を立てやすくなります。
| 質問形式 | 質問例 |
|---|---|
| 選択式 | 自治会の防災訓練に参加したことがありますか？（ある／ない） |
| 選択式 | 今後の防災活動にどのような内容を希望しますか？（避難所運営／応急手当／備蓄確認／その他） |
| 自由記述 | 防災に関して日ごろ感じていることや、改善してほしい点があれば教えてください。 |
具体的な状況を想定した質問にすると、実用的な意見が集まりやすくなります。
ごみ収集・地域の環境
地域の環境整備に関するテーマは、日常生活に直結しているため、回答率が高い傾向があります。
実際の行動や感想を聞くと、運営改善に役立つ情報が得られます。
| 質問形式 | 質問例 |
|---|---|
| 選択式 | ごみ集積所の利用ルールは分かりやすいと感じますか？（分かりやすい／どちらともいえない／分かりにくい） |
| 自由記述 | 集積所や清掃活動に関して、改善してほしいことがあれば教えてください。 |
「問題点を探す質問」ではなく、「良くするための質問」として聞くことで、前向きな回答が得られやすくなります。
役員・班長への意見
役員や班長への意見を聞くことで、運営側と会員とのコミュニケーションがスムーズになります。
ただし、個人を特定できるような質問は避け、運営体制全体への感想を聞く形が望ましいです。
| 質問形式 | 質問例 |
|---|---|
| 選択式 | 自治会の連絡や回覧の方法に満足していますか？（はい／どちらともいえない／いいえ） |
| 自由記述 | 自治会運営に関して、ご意見やご提案があればお書きください。 |
質問のトーンを穏やかにし、誰も責める意図がないことを伝えることで、率直な意見を得やすくなります。
参加してみたい活動
最後に、今後どのような活動に関心があるかを聞く設問を入れると、次の企画づくりの参考になります。
新しいメンバーを巻き込みやすくなるメリットもあります。
| 質問形式 | 質問例 |
|---|---|
| 選択式 | 今後、参加してみたい自治会活動をお選びください。（イベント運営／清掃活動／防災訓練／その他） |
| 自由記述 | やってみたい活動や、新しく取り入れてほしい取り組みがあれば教えてください。 |
この設問は、会員の参加意欲を知るだけでなく、次のリーダー候補を見つけるきっかけにもなります。
質問を通じて、地域の人が自然に関わりを持ちたくなるような雰囲気をつくることが大切です。
次の章では、アンケートを作成・配布する際の具体的なコツを紹介します。
アンケートを作る際のコツ
アンケートは、内容だけでなく「作り方」や「伝え方」にも工夫が必要です。
せっかく配布しても、質問が多すぎたり、回答しづらい形式だったりすると、回答が集まりにくくなります。
この章では、自治会アンケートを作成・配布するときに押さえておきたい3つのコツを紹介します。
質問数の目安
質問数は、5〜10問前後が目安です。
多すぎると途中で書くのをやめてしまう人が増え、少なすぎると意見の幅が狭くなります。
短時間で答えられる量を意識しながら、テーマごとに質問を整理していきましょう。
| 質問数の目安 | 特徴 |
|---|---|
| 5問以下 | 短時間で回答できるが、内容が限定的になりやすい |
| 6〜10問 | 回答負担が少なく、意見も集めやすいバランス型 |
| 11問以上 | 丁寧な回答が得られるが、回答率が下がりやすい |
「答える側の手間」を基準に設問数を決めると、無理なく協力してもらいやすくなります。
匿名／記名の使い分け
アンケートは、目的によって「匿名」か「記名」かを選びましょう。
どちらがよいかは、知りたい内容によって異なります。
| 形式 | 特徴 | おすすめの使い方 |
|---|---|---|
| 匿名 | 自由に意見を書いてもらいやすい | 率直な感想や提案を集めたいとき |
| 記名 | 個別の意見をフォローできる | 具体的な要望や協力者を募るとき |
匿名にするか記名にするかは、「意見をどのように扱いたいか」で決めるのが基本です。
たとえば、活動改善の参考にしたいだけなら匿名で十分ですが、新しい企画に参加してくれる人を探すなら記名が向いています。
回収率を上げるコツ
回収率を高めるためには、「出しやすい環境づくり」が大切です。
出し忘れを防ぐ工夫をしておくと、自然に回収数が増えます。
| 方法 | ポイント |
|---|---|
| 回収箱を設置する | 公民館や集会所など、立ち寄りやすい場所に置く |
| 班長が回収する | 班ごとにまとめると提出忘れが少なくなる |
| 期限前にお知らせを出す | 再案内を丁寧なトーンで伝える |
また、回答者にとって負担が少ないように、選択式を中心にするのも効果的です。
出しやすさと答えやすさ、この2つを整えることで、アンケートの質と回収率がどちらも高まります。
次の章では、ここまでの内容をまとめ、実践的に活かすポイントを整理します。
まとめ
ここまで、自治会アンケートの目的から文例、質問テンプレート、作成のコツまでを整理してきました。
最後に、今回紹介したポイントをまとめて確認しておきましょう。
| 項目 | 要点 |
|---|---|
| アンケートの目的 | 目的を明確にしてから質問を考えると、内容がぶれにくくなる。 |
| 案内文の書き方 | 短く要点を伝え、「目的・お願い・締め切り」をはっきり書く。 |
| 質問テンプレート | 行事・防災・環境・意見・活動希望など、テーマ別に整理しておくと便利。 |
| 作成のコツ | 質問数は5〜10問、匿名と記名を使い分け、回答しやすい形式にする。 |
アンケートの目的は「声を集めること」ではなく、「声を活かすこと」です。
回答内容をもとに、次の活動計画や地域交流のきっかけづくりにつなげていきましょう。
配布や集計を一度で終わらせず、年に1回など定期的に実施すると、地域の変化を把握しやすくなります。
アンケートは、地域の人の考えを見える形にするコミュニケーションツールです。
一人ひとりの意見を取り入れることで、自然とよりよい自治会運営につながっていきます。
